ぐんま昆虫の森で蚕の飼育講座を受けてきた体験レポ。初めての飼育でしたが成虫までお世話をすることができました。動画で蚕の飼育体験の様子を確認いただけます。
1つ、わかったことは、蚕は基本おとなしいけど、メスの前ではオスも取り乱すのだな、ということ。

オスが翅を激しく羽ばたかせる行動が「婚礼ダンス」。
オスは、メスのフェロモンを検知しなければ一切動きません。
▲動画:ようちゃんねる「【カイコガ成虫オスの急変】メスに反応→ミニ扇風機みたいに羽をふるわせる」より
蚕の飼育講座レポ!5齢幼虫から成虫まで
飼育講座で4眠になる手前の蚕を持ち帰り、その日の夕方には動きが止まる4眠になりました。それから5齢幼虫になった蚕の飼育生活がスタートしました。
ぐんま昆虫の森に到着!これから、カイコ飼育講座~ pic.twitter.com/mKk7x7ccD6
— むしらぶろぐ (@musirablog) August 1, 2021
幼虫の蚕を観察
▲動画:ようちゃんねる「【蚕の脱皮】動きが止まる4眠→5齢に!古い頭部もポロッと・・【飼育観察】」より
昨日カイコ飼育講座を受けてカイコを12匹持ち帰り様子見。4れいが眠になってから、今朝は皆が5れいに。#ぐんま昆虫の森#カイコ pic.twitter.com/f9OWvv73p7
— むしらぶろぐ (@musirablog) August 1, 2021
昨日4センチだったカイコもモリモリ食べてるから5センチくらいに大きくなった!三角にカットした餌にトンネルできないかなぁ。#カイコ#成長記録 pic.twitter.com/QBVjBB2iz5
— むしらぶろぐ (@musirablog) August 2, 2021
カイコ5れい、5日目。#モリモリ食べる pic.twitter.com/33yIY9m1DX
— むしらぶろぐ (@musirablog) August 6, 2021
4cm、5cm、7cm・・と着実に大きくなって、数日でぷっくりしてきた幼虫。毎日モリモリとエサを食べています。
蚕の足は吸盤のように吸い付くような足をしています。お腹も足もぷくぷくしていて気持ちいい!吸い付くような足は、壁につけても蚕は落ちることはありませんでした。
▲動画:ようちゃんねる「蚕(カイコ)の幼虫で文字をかいてみた!かわいいプニプニ感~【癒し】」より
昨日から、繭を作り始めた蚕たち。自分のおうちを決めて、みんなアパートの部屋に入ったみたいに繭つくりに励んでいます!#カイコ#蚕#自分のくうかん pic.twitter.com/f7SjbcsXha
— むしらぶろぐ (@musirablog) August 8, 2021
まだ一匹、繭作れていない(T-T)
— むしらぶろぐ (@musirablog) August 10, 2021
糸がうまく出せないのかなぁ。
頑張って欲しいんだけど。見守るしかない#カイコ#蚕#気になってしょうがない pic.twitter.com/C6hc16Hp8J
徐々に繭を作りだしましたが、繭を作れずに死んでしまった蚕もいました。
紙粘土で蚕の幼虫を子供たちと作ってみて遊びました。幼虫は簡単にできるので一緒に作ってみるのもおすすめです。
成虫になった蚕を観察
カイコついに3匹、繭から出てきてくれました!幼虫から見守っているから、余計にモフモフかわいい!#カイコ#蚕#昆虫#待ちに待った pic.twitter.com/Emd1xMKTYL
— むしらぶろぐ (@musirablog) August 22, 2021
交尾のあとは、メスはアチコチに産卵していました。卵がお米のようにきれいな粒。
気づいたらティッシュに卵がびっしり!「もうこんなに産んだの!?」と本当びっくりしました。
▲動画:ようちゃんねる「【蚕の産卵】もふもふのメスを指の上に乗せてみたら急展開… 」Shortsより
時間の経過とともに卵の色が変わってきました。
▲動画:「【蚕の産卵】お米みたいな小粒の卵を産み続けるメスを観察!」より
【蚕の羽化】繭からでてくる瞬間を観察
▲動画:ようちゃんねる「【蚕の羽化】もふもふしたモスラ誕生!?繭からでてくる瞬間を見守る」より
ほとんどが深夜や朝方に羽化することが多かったです。朝起きたら、成虫になっていたということも、しばしば。たまたま朝方に繭から出てくるところに遭遇したので動画におさめることができました。
出てきた直後は羽が「まいたけ」みたいだな!?と思ってしまいました。しばらく体を休ませ、ジッとしています。
しばらくすると羽がピンとしてきれいな色、羽になります。
蚕は成虫にしてはいけない?
飼育してみて飼育前と違う感情が芽生えたことが1つあります。
蚕を成虫にしてはいけない、というよりは絹織物の原料となる絹糸を生産し、人々の生活に役立つものに生まれ変わる方が蚕も幸せ!?という認識が私の中で芽生えました。
繭から絹をつくるためには繭からカイコガが羽化する前に茹でるのです。繭から成虫が出てきてしまうと繭は絹をつくることはできなくなります。
今まで育ててきて見守ってきた蚕を自らの手で茹でるのは、すごく抵抗があります。つい、蚕がかわいそうだな、と思ってしまいます。カイコガが死ぬ最後まで見守りましたが、交尾や産卵が終わった成虫はジッと耐えているだけのようでした。徐々に手足が弱々しくなっていくのを見るのもつらかったです。
【蚕の姿】羽化直後と死の直前の比較
羽化直後の蚕は、白くふわふわ・もふもふした印象ですが、死んでしまいそうな蚕の姿は羽にスジが入り、手足も細くなり白かった色も茶色くなってきています。
鳴かない、食べない、飲まない、遊ばない、逃げない・・・・反発もしてきません。
犬や猫のペットを飼っているとご飯や水をあげたり、散歩したり。感情表現が伝わってきたりします。
何か最後にしてあげれることはないのかな、と思っていましたが本当に見守るしかできませんでした。ツンツンしてみたり、手の上に乗せてみたり、なでなでしてみたり・・・
でもジッとしていました。交尾する力もなく、ただジッと耐えているように感じたので、これから何を楽しみに蚕は生きていくのだろう、とふと思ったりもしました。
死ぬのを待つ、という表現は悲しいですが、ジッとしている成虫を見るたびに「まだ生きているね」という感情に葛藤もしました。
死んでしまうと体を支えていた手足が縮まってしまいます。「最後、頑張ったね」という気持ちになりました。
「絹糸になった方が生き続けることができたのかなぁ」と思いながら息絶えたのを確認して、そのまま庭の土にかえしてあげました。
蚕の一生を振り返ると思うこと
そんな一連の蚕の一生を見たときに「成虫にしてはいけないのかな」と思ったのです。
茹でられても、絹糸として人々の役に立つモノとして残る方が幸せなのかな?と思ったりもしました。
絹は繊維として利用するほか、粉末や液体にして食品や化粧品に加工されたり、手術用の縫合糸など医療の分野で活用されたりしています。
- 蛾になって命を終えるのを見守るのか
- 蚕の作った繭で人形を作るという「工作」を学ぶのか
- 糸を採って「養蚕業」について学ぶのか
また、ぐんま昆虫の森の蚕の飼育講座を受ける予定です。子供たちはまた成虫に会いたい!と言っています。
絹糸にしてあげるべきか、成虫として羽化させるべきか、いまだ悩みます。まだ茹でる勇気がない・・・
しかし、成虫として羽化したカイコガを実際に触ってみて可愛かったし、本当に癒されました。だからこそ、急変したオスのカイコガの羽ばたき行動にはビックリしました。